ステンレスは錆びにくいのでしょうか？

ステンレスは錆びないはず？

ステンレスの表面に茶色い錆び（斑点）が現れると、「ステンレスは錆びない」「錆びたらステンレスではない」と大変驚かれます。実は、これはステンレスに対する理解不足による一方的な誤解です。ステンレスも条件によっては錆びてしまうことがあります。

ステンレス鋼は、大気酸化に強い性質（ステンレス）と、酸、アルカリ、塩類を含む媒体中で腐食しにくい性質（耐食性）を持っています。ただし、耐食性の大小は鋼材自体の化学組成、相互の状態、使用条件、周囲の媒体の種類や環境によって変化します。304鋼管と同様、ドライクリーニングの雰囲気下では絶対的な耐食性が備わっていますが、大量の塩分を含んだ海霧の中をリビエラに移動すると、すぐに錆びてしまいます。したがって、どのような種類のステンレス鋼であっても、いつでも腐食や錆びに耐えられるわけではありません。

ステンレス鋼は、その表面に形成される極めて薄く、強固で緻密な安定したクロムを多く含む酸化皮膜（保護皮膜）によって、酸素原子の侵入と酸化が妨げられ、耐食性が得られます。何らかの理由により、この皮膜は継続的に損傷され、空気中または液体中の酸​​素原子が侵入し続けたり、金属中の鉄原子が遊離して遊離の酸化鉄を形成し続けたりして、金属表面に錆が発生し続けます。 。

錆びにくいステンレスって何ですか？

ステンレス鋼の腐食に影響を与える主な要因は以下の3点です。

1) 合金元素の含有量

一般的にクロム含有量が10.5％の鋼は錆びにくいと言われています。クロムとニッケルの含有量が多いほど、耐食性は向上します。たとえば、304 材料のニッケル含有量は 8 ～ 10%、クロム含有量は 18 ～ 20% に達する必要があります。このようなステンレス鋼は通常の環境では錆びません。

2) 生産企業の製錬プロセス

生産企業の製錬プロセスもステンレス鋼の耐食性に影響します。優れた製錬技術、高度な設備、高度な技術を備えた大規模なステンレス鋼工場では、合金元素の管理、不純物の除去、ビレットの冷却温度の制御を保証できます。したがって、製品の品質は安定して信頼でき、内部品質も良好で、錆びにくいです。逆に、小規模製鉄所の中には設備や技術が後進的なところもあります。製錬工程では不純物を除去することができず、製造された製品には必然的に錆が発生します。

3) 外部環境

乾燥した換気の良い環境は錆びにくいです。空気中の湿度が高い、雨天が続く、空気中のpHが高いなどの環境では錆びやすくなります。304ステンレスは周囲の環境が悪すぎると錆びてしまいます。

ステンレスを磁石で判断できますか？

ステンレスやステンレス製品を買いに行く人は、小さな磁石を持っていく人が多いです。商品を見ると、吸えないものはステンレスが良いと思われます。磁性がなければ錆びません。実は、これは間違った理解です。

ステンレスベルトが磁性を帯びるか否かは組織構造によって決まります。凝固プロセス中に、凝固温度が異なるため、「フェライト」、「オーステナイト」、「マルテンサイト」などの異なる組織構造を持つステンレス鋼が形成されます。その中でも、「フェライト」ステンレス鋼と「マルテンサイト」ステンレス鋼は磁性を持ちます。「オーステナイト」ステンレス鋼は、総合的な機械的特性、加工性能、溶接性が優れていますが、耐食性の点でのみ優れています。磁性「フェライト系」ステンレス鋼は、「オーステナイト系」ステンレス鋼よりも強力です。

現在市場にある高マンガン含有量と低ニッケル含有量のいわゆる 200 シリーズおよび 300 シリーズのステンレス鋼は磁性ではありませんが、その性能はニッケル含有量の高い 304 のそれには程遠いです。逆に、304は延伸、焼きなまし、研磨、鋳造等の加工が施されており、加工処理により若干の磁性も発生しますので、磁性の有無でステンレス鋼の品質を判断するのは誤解であり、非科学的です。